最近、ロードバイクのブレーキはリムブレーキではなく、ディスクブレーキが増えてきました。
リムブレーキのホイールとディスクブレーキのホイールは互換性がなく、今後リムブレーキのホイールが少なくなってくることが予想されるため、思い切って、2019年の夏にホイールを買い換えました。


ホイールの素材の選択

ホイールの素材には一般的にはスチール、アルミ、カーボンがあります。スチールは鉄下駄とも呼ばれ、比較的安い価格帯の自転車に初期状態で装着されていることが多いです。元々、使っていたホイールはフルクラムのレーシング5LG(こちらの記事参照)のアルミホイールなのでそれ以上のグレードで探しました。

・ブレーキ性能

リムブレーキはその名の通り、ホイールの外周のリムとブレーキシューとの摩擦力で制動力を発生します。もちろん摩擦なので熱を発生します。アルミホイールは放熱性が高く、カーボンホイールは長い下り坂などでの摩擦熱で損傷することもあるとのことです。また、カーボンホイールはブレーキが効きにくいともいわれています。

・重量と形状

カーボンホイールはアルミホイールに比べて、とても軽量にすることができます。ロードバイクのホイールには、空気抵抗を考えたエアロデザインのディープリムホイールというものがあります。その名の通り、リムの高さが高く5cmぐらいになるものもあります。もちろんそれだけのリムの大きさになるとアルミでは重くなりすぎるのでカーボンホイールしか選択肢がありません。タイヤとホイールは回転体として、どのパーツよりも軽量であることにメリットがあるのでなるべく軽い方がいいのです。

カンパニョーロ BORA ULTRA 50mm



いろいろと考えたところ、カンパニョーロのBORA Ultra 50mmを購入しました。

・カンパニョーロというメーカー

まず、どこのホイールを買うべきか悩みましたが、にわかロード乗りの自分としては、シマノ、mavic、カンパニョロがメジャーどころだと思っていました。乗っているロードバイクがコルナゴで、フルクラムのホイールを使っていたこともあり、同じイタリアのメーカーのカンパニョーロを買うことにしました。
ちなみにフルクラムはカンパニョーロ製の別ブラント名らしいですカンパニョーロとシマノはそれぞれがブレーキやギアなどのコンポーネントを発売している会社で、シマノコンポにカンパニョーロであるとか、逆にカンパニョーロコンポにシマノホイールは邪道とされ、カンパニョーロホイールをシマノユーザーに売るために別ブラントを立ち上げたとか。
私のコンポーネントはシマノのDURA ACE(記事参照)ですが、あえてカンパニョーロのホイールにしました。

・BORA ultraというホイール

BORA ultraはカンパニョーロのホイールの中では最高峰に位置する35万円ぐらいの高額なホイールです。

ハブには独自技術によるセラミックベアリングのCULTが使用されています。購入して実際に手にしてわかることですが、CULTの転がり抵抗は極めて小さく、手で回した場合フルクラムレーシング5LGの5倍の時間は回り続けました。乗ってみてもこの転がり抵抗の差が巡航速度に影響しているのは体感できます。

また、リムブレーキとの接する面にAC3と呼ばれる溝が彫られています。これによってドライでは3%、ウェットでは43%の制動力の向上を果たしているようです。ただでさえ雨に弱いリムブレーキに、カーボンホイールの制動力の悪さが重なると危険なので、AC3による制動力向上は安全性という意味でも重要です。
私は巡航速度がそれほど速くはないですが、そんな中では制動力に不満はなく、雨の日であっても危険を感じることはありません。

・ディープリムホイール

BORA ultra 50mmの50mmというのはリムの高さが50mmというディープリムホイールになります。BORA ultraには35mmのリムもありますが、50mmを選択しました。

↑50mm         35mm↑

50mmのメリットはエアロ効果が高くなるため、空気抵抗が減り巡航速度が増すことにあります。しかし、35mmよりも重くなるため走り出す時に慣性力が働くため、漕ぎ出しが重くなるデメリットがあります。しかし、巡航速度になれば慣性力によって速度を維持しようとするため速度の増減が緩やかになるメリットはあります。登り坂ではエアロ効果を発揮するほどの速度にはならず、重量のデメリットが上回ることになります。


また、横からの面積が大きくなるため横風には弱くなります。河川敷などの風が強い場所では横風に煽られて、ハンドルを取られそうになることもあります。これが河川敷ならいいのですが、車道でトラックが横を走るときの巻き込み風で煽られた場合は、トラック側に向かう風となるため危険なこともあります。
メリットデメリットがあるリムの高さですが、35mmより50mmの方がホイールに書いてあるBORA ultraのロゴがよく見え、ロードバイク自体が派手に見えるというメリットがあります。
そもそも、にわかロード乗りの自分にとっては性能よりも、パーツを付けている満足感が何よりも勝るメリットなのです。BORAultraには白黒ロゴと赤白ロゴの2パターンが有りますが、もちろん目立つ赤白ロゴを選択しました。

購入後レビュー

まず、ホイールをどこで買うべきなのかが悩むところですが、一般的にはホイールは工場出荷状態から振れ取りをして仕上げる必要があるため、自分自身でできない場合はプロショップに任せる必要があり、プロショップで購入することになります。しかし、BORA ultraは購入した時点で完全に振れ取りが終わっており、何もしなくても乗り出すことができました。ホイールには作業した人のサインも付いていました。

また、ホイールケースも付いているので、サイクルバッグに入れたりして移動する際はホイールを保護することもできます。



・実際に走ってみて

サイコンの記録では巡航速度は3km/hぐらい上がりました。特に向かい風の時の速度低下が少なくなり、楽に走ることができるようになりました。
高額なホイールなので、盗難に遭わないか心配ですが、クイックリリースではなく専用工具でないと外せないシャフトに変えています。

・盗難のリスク

カーボンフレームの車体DURA ACEのコンポーネントBORA ultraの組み合わせはかなり高額になるため、施錠だけでなくAlterlockによる防犯を行うようにしました。

・寿命の懸念

高額なホイールなのですが、カーボンホイールなのでアルミホイールよりも寿命が短いため、専用の純正のブレーキシューを使いながら大事に使用しています。おそらくこのホイールの寿命が来たら、フレームも買い替えるタイミングになると思われます。

・見た目の満足度

↑交換前(フルクラムracing5LG)


↑ 交換後(BORA ULTRA)

ホイールを変える前後の写真を見比べると、ホイールだけでかなり印象が変わることが分かると思います。個人的にはだいぶ攻撃的になったという感想です。そもそも貧脚の私にこれほど高価なホイールが必要かというとなんとも言えないですが、貧脚だからこそ、パーツで楽をしてサイクリングを楽しむということも大事だと思いますし自転車のパーツは満足度が最優先だと思いますので、そういう意味ではいい買い物であったと思います。