ポルシェといえば、911が有名ですが、他にもカイエン、マカン、ボクスター、ケイマン、最近ではタイカンなどもラインナップされています。もちろんそれぞれの車種にはグレードが設定され、さらにはオープンモデルもあり多種多様なラインナップがあります。私はボクスターGTS(981)に乗っています。新車で納車されて約5年が経過しました。

ポルシェボクスターという車


MRのため、座席の後ろにエンジンが搭載される

ボクスターは2シーターのオープンカーになります。つまり2人乗りです。兄弟車にはオープンにはならないクローズドボディーのケイマンがあります。駆動方式は、ポルシェといえば911、911といえばRR(リアエンジン、後輪駆動)ですが、ボクスターとケイマンは、MRつまりミッドシップエンジンで後輪駆動です。フェラーリやMcLaren、ランボルギーニなどのスポーツカーが採用している駆動方式になります。MRは車体中央に近いところにもっとも重いエンジンを置くことで、動的性能を上げます。RRよりも本来は動的性能は高いのですが、ポルシェが911のRRはコンピューター制御でその弱点を減らし、911には高性能なエンジンが搭載されるため、ヒエラルキーではボクスターは911の下になります。私の車は第3世代の981という型式ですが、現在は第4世代の718ボクスター(982)が出ています。


GTSというグレード 


ボクスターは発売当初は、ボクスターとボクスターSの2種類のラインナップでしたが、後でボクスターGTSが追加されました。さらにその後でボクスタースパイダーが追加されました。エンジン出力はボクスタースパイダー>GTS>S>ボクスターとなります。ただ、ボクスタースパイダーの幌は手動になります。なので、電動幌での最高出力のグレードはGTSになります。


購入時のオプション


ポルシェは『オプション商法』と呼ばれるぐらいオプション代がかかります。これはサーキットを走らせる人達にとって必要ない装備をつけないという選択肢を提供するというスポーツカーメーカーとしての理念らしいです。ただ、日常乗りに最低限必要な装備でも有料となってしまいます。そして、中古として手放す場合は、車両価格以外ののオプション代が加味されにくいというデメリットもあります。GTSはエンジン出力があがっただけでなく、多くのオプションが装備されたモデルとなり、車両価格にオプション代も含まれるため中古として手放す際にも有利になります。ボクスターSと比較してGTSに標準装備されているもの、自分で追加で選んだものを下のリストに書きます。

・GTSで標準装備となっているオプション


アルカンターラシート
PASM(ダンパー調整システム)
スポーツエグゾースト
スポーツクロノパッケージ
20インチホイール
バイキセノン・ヘッドライト+PDLS
ブラックテールライト
スポーツエグゾーストテールパイプ
内装フルレザー
 

・追加で選択したオプション


PDK(AT)¥640000
電動格納ドアミラー ¥93000
パークアシストシステム(リアのみ) ¥55000
マルチファンクションステアリングホイール ¥26000
カラークレストホイールキャップ ¥30000
オートエアコン ¥139000
シートヒーター ¥76000
アダプティブスポーツシートプラス ¥511000
フロアマット ¥20000
クルーズコントロール ¥72000
車両盗難防止システム ¥37000

内装アルカンターラ無し¥0
PASM→スポーツシャシー変更 ¥0 

オプション合計は約170万円!

MTからPDK(AT)にするだけで64万円、シートを電動にしてシートヒーターを付けるだけで合計58万円、ドアミラーを電動するのに9万円など、外車なら標準仕様でも最低限ついているオプションでもかなりの高額な追加予算となるため、ポルシェを購入する際は注意が必要です。


使ってみてレビュー



まず、購入にあたってですが、ポルシェには生産枠が各販売店に割り当てられるようで、その枠を確保できないと購入できません。通常モデルであれば常に生産しているため枠の確保は容易ですが、ボクスターGTSは生産期間が限定されていたため生産枠が少ないため、最初は買える保証はないといわれました。さらに生産枠が少ないGT4や911GT3などのモデルは人気もあるので、お得意様に最初に声をかけるので、一見さんには空き枠の確保は難しいと聞きました。申し込みから1ヶ月後に生産枠が確保できたとの連絡をもらい、納車まで7ヶ月かかりました。

・良かったところ

走りに関しては、さすがポルシェの一言に尽きます。ボクスターの981は、6気筒自然吸気(NA)エンジン最後の世代と言われ、982からは4気筒ターボエンジンになりました(かなり後で982GTS4.0というNAモデルが追加されましたが)。私自身が、ターボエンジンのターボラグと回転数の落ちの遅さが苦手なので、最後のNAモデルを入手できてよかったです。
PDKですが、変速ラグはほぼなく、変速タイミングやニュートラルからつなぐタイミングは素晴らしいです。

スポーツシャーシというオプションは、PASMという可変ダンバーを取り去って、車高を下げるモノになります。PASMのスポーツモードで-10mmのところがスポーツシャーシでは-20mmになります。PASMはシーンによって乗り心地を選べるメリットがありますが、おそらくずっとスポーツモード入れるので、あえて外してスポーツシャーシににしました。
ツーシーターであるため、荷物や人の積載は期待できません。それでも、トランクは前後にあるため、日常乗りには不便しません。

サイクルキャリアもなんとか適合するモノを見つけて装着しています。ただ、家族がいる場合にはもう一台別の車が必要になると思います。


サイクルキャリアも探せばあります→詳細は後日レビューします

オープンカーはとても気持ちがよく、暇があれば開けて走っています。これまで、ロードスター(NA)、ロードスター(NB)、Z4(E85)、SLK(171)、650iカブリオレ(F12)とオープンカーを乗り継いでいますが、飽きることはありません。


・イマイチなところ

サーキットを走るためには4点以上のシートベルトが必要になりますが、つけるための純正オプションがありません。スポーツカーに乗ったらサーキットにも行ってみたいという人もいるかと思いますが、最近はサーキットの車両規定も厳しくなり、特にオープンカーでは4点以上のシートベルトが義務づけられているところが多いです。

維持費もそれなりに高いです。車検費用などは一般的な車と変わらないといわれていますが、消耗パーツ代、オイル代、タイヤ代はかなり高く、交換頻度も多いです。




あとは、私がお世話になっているディーラー(ポルシェセンター)のサービスがイマイチです。担当者のサービス対応も、店の雰囲気もしっかりしていて高級車にふさわしいと思うのですが、車検や点検の際の代車の貸し出しについては不満があります。『車の引き取り+お届け』、または『代車の貸し出し』の選択制となっていますが、ウチからPCまでは片道30分くらいかかります。できれば取りに来てもらいたいのですが、代車がないのも困ります。ポルシェに乗る人は複数台持ちが当たり前でしょうし、ウチにも、もう一台車はありますが、普段生活しているタワーマンションには1台しか停めていないため、『車の引き取り+お届け』では休日に過ごしているもう一台が置いてある一軒家への移動が困ります。そして、一軒家は『車の引き取り+お届け』のエリア外になります。私自身が特殊な環境かもしれませんが、BMWやベンツでは担当者が代車に乗って引き取りに来るのが当然だったので、不便に感じます。
ちなみに、代車も国産車の200万円程度のコンパクトカー。普段、外車に乗っているようなポルシェの購入層には不釣り合いな車です。



まとめ


現在はボクスターは、モデルチェンジして718ボクスターとなっています。外観は大きく変わっていませんが、718ボクスターはエンジンが4気筒ターボにダウンサイジングされました。718ボクスターGTSも4気筒ターボエンジンでしたが、その後に718ボクスターGTS4.0という6気筒自然吸気エンジンのモデルが追加されました。さらに718ボクスターGTS4.0 ではシャシーもさらに改善されているようです。
実際に聞き比べたわけではありませんが、ボクスターGTS(981)よりも718ボクスターGTS4.0 の排気音の方がおとなしいとのことです。

ボクスターGTS(981)は購入してよかった車であるといえます。