2020年から猛威を振るっているCOVID-19(新型コロナ)感染症は、我々の社会生活を一変させました。この新型コロナに対して、ワクチンが開発されて日本国内でもようやく接種が開始されました。現在(2021年4月)は、日本国内では医療関係者に優先接種が行われ、一部では一般の高齢者にも接種されています。当サイトでも、実際にコロナワクチン接種を受けた方にレビューをしてもらいました。

(※新型コロナ(COVID-19)感染症の最新情報は、厚生労働省のHPなど最新の情報を参照してください。また、健康に関することは、医師の指示を仰いでください。本サイトでは、個人の感想・見解を掲載しており、一切の責任は負いません。)

新型コロナが流行して1年以上経過し、我々の生活は一変しました。マスクの装着やリモートやソーシャルディスタンスによる感染予防。外食営業の制限など様々な産業に影響が波及しました。そして、2020年夏にはコロナワクチンの接種が海外で開始され、2021年に入り、日本でも医療関係者などに接種が開始されました。


ワクチンがなぜ効くのか?


人体には外界からの感染の脅威に対応するために、免疫というシステムがあります。もし、感染したら、体の中でそのウイルスに対応するための抗体が作成され、2度目に同じウイルスに曝されても抗体がウイルスに対応して、感染を防いだり症状を軽くします。


逆に言えば、1度感染しないと免疫をつけることは出来ないと言えます。ただ、今回の新型コロナのように、致死性の感染症の場合は1度目の感染によって命に危険が及びます。このため、身体に対して無害化したウイルスやその一部を投与して、身体に感染が起きたと思わせて抗体を作って、本物のウイルスへの対策とするのがワクチンの原理になります。



新型コロナワクチンのメッセンジャーRNAワクチンとは?


現在の日本国内で接種されている新型コロナワクチンはファイザー社製のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンになります。mRNAワクチンは、従来のワクチンとは異なる全く新しいワクチンになります。
これまでのワクチンは、弱毒生ワクチンや不活化ワクチンと呼ばれるもので、病原体を別の宿主や細胞で増殖させて、投与しても害が出ないように加工されて接種されるタイプの物でした。


これまでのワクチンは『弱らせたウイルス』や『ウイルスの一部』を投与する

一方、今回のmRNAワクチンは、ウイルスの設計図の一部を接種して体の中で病原ウイルスの一部を作ることで、そのウイルスに対する抗体を作成させるというもので、これまでには無い、全く新しいタイプのワクチンになります。


mRNAワクチンでは『ウイルスの一部の設計図』を投与する


・mRNAワクチンのメリットとデメリット

メリットは、開発期間が短くて済み、大量生産が可能になるということです。また、投与したmRNA自体には病原性は無いため、病気を引き起こすことはありません。また、mRNAが投与された人体のDNAに取り込まれるということも無いと言えます。
デメリットは、今回が初めてのmRNAワクチンということで、副反応や合併症を含めて未知数であるということです。おそらく、今回の新型コロナがなければ、安全性の確認を含めてmRNAワクチンの実用化はかなり遅れていたと言われています。ただ、海外で先行して接種が進んでいるため、有効率や安全性に対するデータは日々膨大な規模で蓄積されています。そして、日本国内でも医療関係者に接種が開始され、日本人に対する有効性、有害事象が検証されています。そういう意味で、よくわからない新しいワクチンであるデメリットはデータの蓄積とともに払拭されると思います。そして、もう一つのデメリットはmRNAは不安定な物質のため輸送や保管が大変であることです。


実際に接種を受けたレビュー(個人の感想です)



今回のワクチンは軽微な副反応も含めると多くの人に投与後に何かしらの反応が出ているようです。ファイザー社製のワクチンは2回接種です。接種は、肩の筋肉内に注射します。

・1回目のワクチン接種


私も含めて、周囲の接種した人たちは接種した数時間後~翌日に接種部分に疼痛が出現しました。私は接種翌日にまるで腕を上にあげられないぐらいの筋肉痛のような痛みがあり、接種2日目に軽減し3日目には疼痛がなくなりました。微熱が出て、風邪のような感覚で指先までポカポカしていました。これは炎症で血管の外に水分が出ている兆候なので、脱水にならないように水分をしっかり摂りました。

2回目のワクチン接種


1回目と同様に、接種した肩の疼痛は遅れて出現しました。発熱等はなく若干の倦怠感はありましたが、接種2日目には改善しました。ただ、周囲の人(医療関係者)には、発熱などの副反応は1回目より多い印象でした。しかし、発熱した人も、解熱剤の内服などで半日程度で軽減したそうです。
(※接種後に副反応と思われる症状が出た場合は、医師に相談してください。)


今後のコロナワクチンの一般接種に向けて



医療関係者への投与が一段落つけば、一般の方への接種が高齢者から始まります。ここで問題となるのが、接種者と未接種者の格差です。接種をしていれば感染は9割防げると報告されています。ワクチンを打てば、外出や外食などの制限が解除されていくことが予想されます。しかし、全国民に同時に接種することは不可能です。今は医療関係者という、必要性の高い人への接種で納得されています。
しかし、一般接種では隣の人は接種しているのに自分は半年後になるようなこともありえます。地域間でも接種時期にズレが生じるはずです。人が多い都市部から優先されるかもしれません。ワクチンを投与していないけど、制限が嫌でワクチン投与したことにする人も出てくる可能性もあります。行政には、順番待ちの人が、接種した人との格差が生じないようにしていただきたいと思います。
さらに、科学的不安や宗教上の理由などからワクチン接種をしないことを選択する人も出てくる事も考えられます。選択は自由であるべきで、差別になってはならないと思います。投与しないことによる不利益や、公共の福祉に基づく制限については事前に説明されるべきであると思います。ワクチン接種の証明書など、現時点での説明などはありませんが、今後、海外渡航の際には必要になる可能性もあります。

新型コロナワクチンは、新型コロナの流行を抑制するための切り札です。多くの人々にワクチンが接種され、一日でも早く元の生活に戻れるようになることを期待します。