高価なロードバイクは価格の割に盗まれやすいモノの1つだと思います。それなりのグレードになればフレームだけでも30万円以上して、そこに上級コンポーネントや高額ホイールなど付ければ50万円以上、時には100万円を超える価格になります。

しかし、ずっと手元に置いておくわけにはいかず、食事や観光の時には駐輪しなくてはなりません。一般的にはチェーンロックで周辺の物と固定するいわゆる地球ロックをしますが、チェーンロックが切られて持って行かれることがあります。また、盗難車はパーツ単位に分解されて転売されることが多く、盗む人にとってはフレームは目立つため転売対象にならず、フレーム自体を切断して盗む場合もあるようです。私は盗難防止として、AlterLockを使用しています。


AlterLockとは

公式サイトは
https://alterlock.net/
になります。

簡単に言うと、振動を検知したら 
・アラームを鳴らして警告する
・スマホに通知をする
・一定時間毎にGPSで位置情報を取得し、スマホに通知する

というものです。

自転車の盗難防止には、いかに盗難まで時間がかかるようにするかということが重要になります。これは盗む側が、盗みの現場を見つかりたくないと言うことの裏返しです。
なので、盗難の現場を見つかるリスクが高ければ、諦めることになるわけです。

振動でアラームが鳴れば、周囲から注目を浴びるため諦める可能性が高くなります。スマホに通知が来るので、駆けつけることもできます。このため、解除までに時間がかかるように十分な施錠をした上で使用する事が重要になります。
また、盗んで乗って行ったとしても、アラームが鳴り続けるため不審者として注目を浴びることになるし、GPSによる追跡で盗難されても発見しやすくなります。



AlterLockはスマホからの操作にはBluetoothを使用しますが、離れた場所からの通知やGPSによる位置情報の通知には、Sigfoxというネットワークを使用します。このため、本体価格以外に月額360円または年額3600円の基本料金がかかります。基本料金がかかることを嫌う人もいますが、ロードバイクの価格から考えれば、保険としては安い価格設定だと思います。




使ってみてのレビュー




まず、ロードバイクは基本的には室内保管であることが前提です。長いこと屋外の駐輪場に置いておくことに対してAlterLockは無いよりは意味がありますが、効果が薄いと思います。
上にも書きましたが、AlterLockの盗難防止の効果は、盗んでいる作業中に人目につくことにあります。なので、人通りの少ない住宅街の駐輪場でアラームが鳴っていても気にする人が少なければ意味がありません。そして、スマホに通知が来たとしても、近くにいなければ駆けつけられないので意味がありません。盗難後のGPS追跡はあくまで補助的なもので、盗難を予防するためのものではありません。

何より、内蔵バッテリーはそれほど容量が大きくないためスペック上は1.5ヶ月、実質1ヶ月ぐらいで電池が無くなるので、長期間駐輪場に置いておくという用途には向きません。


本来、盗難までの時間を稼ぐ為には強固な鍵を2本以上地球ロックするのがいいとされています。ただ強固な鍵は重量も重くなるため、お金をかけてロードバイクを軽量にしても意味がなくなってしまいます。AlterLockは盗難発覚までの時間を短くする事で重量がある強固なロックと同様の働きをします。AlterLockの重量はわずか50gです。強固なワイヤーロックの重量を考えれば、かなり軽量であると言えます。




AlterLockが外されてしまっては意味がないので、外されにくい特殊ネジなどで固定することをお勧めします。公式では特殊ネジとのセットもあります。
AlterLockの本体は、フレームのボトルケージ用のボルトを使用してボトルケージとフレームの間に取り付けます。




スマホのアプリではロックの機能以外にも、自転車関連のニュースが読めたり、サイクリングコースの情報を見ることができたりもします。自転車乗りとしてはうれしい機能です。


購入するには

AlterLockは2021年に第2世代にバージョンアップする予定となっています。価格は8241円→9800円と若干の値上げとなりますが、サービス料は変わりません。
バージョンアップ内容は以下の通りになります。

ハード面の改良
・更に細く、スティック状に⼩型化。エアロフレームの性能を損なわないデザイン
・筐体の構造を改善し耐久性を⼤幅に向上(ネジ締め強度 1.5Nm→4Nmまで)
・アラーム⾳量を最⼤95dBに改善(約3倍の⾳圧レベル)
・Wi-Fi測位を追加し、屋内での追跡性能を⼤幅に改善

ソフト面の改良
・振動検知アルゴリズムを改良し、誤検知のリスクが減少
・スマートフォンとの接続性を改善(オートガード機能は廃⽌)

現在、第1世代のAlteLockは完売となっています。入手するには、第2世代の発売を待つしかなさそうです。
それと、AlterLockには公認アンバサダーと呼ばれるサイクリストがいます。自転車関連サイトの運営者が任命されているようです。ツイッターなどで声をかけると、3か月分の無料体験クーポンコードを入手することができることがあります。ネット上で探してみてください。